米倉涼子主演のドラマ「黒革の手帖」
主人公の元子は以前銀行で働いていましたが、1億2千万円の横領をしていました。横領したことが上司にバレてしまいますが、何とか逃げ切ることができるのです。そのお金で銀座にカルネという店を持ち、ママとして働き出します。たまたま同じ飲食店にいた波子を見つけて、彼女をカルネのホステスとしてスカウトするのです。
人懐っこい波子でしたが、後にカルネと同じビルにお店を持ち敵対関係となるのです。銀座の頂点になった元子でしたが、今度は周囲からの罠によって蹴落とされそうになるのです。選挙で当選を目指す安島との出会いもあります。安島と元子は初めから惹かれ合う関係になりますが、お互いに反発し合うことを繰り返します。
選挙に当選して政治家になった安島でしたが、元子の事を忘れることができず愛人になることを提案します。しかし元子はそんな提案を断り二人の関係は終わりを迎えるのでした。元子が銀座でどんどん成り上がっていく姿は美しかったです。着物姿もスーツ姿も様になっていて、かっこいい女性で印象的でした。
銀座の世界では様々な人間模様が繰り広げられているんだと感じました。嫉妬、憎しみ、お金、愛情などの色々な感情で成り立っているんだなと少し怖い感じもしました。米倉涼子の銀座のママはとても似合っていると思いました。
米倉涼子出演のドラマ「35歳の高校生」
35歳の女性がとある理由からある日突然高校生として転入してきます。その転入先では「スクールカースト」というものが支配していました。スクールカーストにより本当の自分を隠し演じる生徒たち。そんな中で米倉涼子さんが演じる馬場亜矢子は、いじめや不登校などクラスの様々な問題を解決していきます。
ドラマの舞台となる3年A組の女子のスクールカースト一軍女子のリーダー的存在の工藤美月(新川優愛)が、突然転校したいと言い出します。その理由は実は盗撮をされているとのこと!クラスメイトの前で盗撮を打ち明けた美月は「こんな気持ち悪いところ出て行きたい。」とぼやきます。そんな中、美月は一軍から三軍落ちしたとの噂もありました。
クラスでは授業の一環でティーンコート(少年犯罪を同年代の少年少女が陪審員として配置し、裁判を行うというアメリカ発祥の裁判制度)を行うことになります。裁判のテーマは「盗撮」に決定します。
美月は自分を盗撮した犯人を、同じ一軍女子であった泉優奈(北山詩織)だと言い張ります。原告と被告、それぞれ弁護人を付けるよう言われた美月は、頼れる者がクラスにいない中、馬場に弁護人を依頼します。「おばさんだから人生経験豊富だと思って。」と一言。
実際は盗撮は美月の嘘であり、元交際相手の湯川理(野村周平)と優奈が浮気をしていたことで優奈に恨みを持っていたことで盗撮されたと訴えることで優奈を悪者にする目的でありました。その後美月は元交際相手、理も二股の容疑で訴えます。クラスの多数決で理が有罪か無罪か決定することに。
馬場は、そんな美月に「湯川くんのこと好きだったんだよね?」と尋ねます。美月は頷きますが、それも嘘だと指摘する馬場。本当は美月は心から信頼し、話せる相手がいないから、男女交際で人と繋がっていたかっただけではないのか?転校して新しい場所で、自分を知らない人たちとまた一から絆を深めたかったのではないか?と聞きます。
ここで強がっていた美月がポロポロ涙を流し、裁判が終わると馬場に「ありがとう」と礼を言い笑顔で帰って行くシーンがとても清々しいです。 私が学生の頃からスクールカーストは確かに存在しました。社会に出てももちろんありますよね。
そんな下らないルールの中で様々な問題と向き合い、解決していく馬場やクラスメイトたちの心境の変化や成長が見所ですし、共感する部分も多く、なんとなく自分が学生の頃拭えなかったモヤモヤが解消されていくような清々しさがあるドラマでした。