倉科カナさんが出演した「エリートヤンキー三郎」
「エリートヤンキー三郎」は、懐かしの深夜ドラマです。かなりハチャメチャな設定で、登場人物はケンカ三昧。女性陣の露出度も高く、深夜のノリが強い連続ドラマでした。しかし、その無茶なところが面白く、当時は肩肘張らずに視聴していました。
主人公は、高校生の大河内三郎(演じるのは石黒英雄さん)。気弱で普通の少年ながら、恐ろしい二人の兄の悪名が災いし「最強の番長」に祭り上げられてしまいます。周りの誤解や手下の暗躍もあり、誤解は広がる一方。
しかし普段は気弱な三郎ですが、失禁すると常軌を逸したパワーを発揮するという、特異体質が……。そのせいで、最後はいつも、本当に大暴れしてしまいます。
また仲間由紀恵さんが謎の占い師を演じていたり、遊び心が多いのも楽しかったです。
倉科カナさんが演じる浅井春菜(あさいはるな)ちゃんは、三郎が想いを寄せる可愛い女の子。彼が不良から守ってくれたと誤解し、三郎に好意を持ちます。
しかし怒ると怖く、不良のまとめ役である石井(コワモテ)を「このクソゴリラ!」とぶっ飛ばしたりと、時に奔放な活躍を見せてくれました。
そして、どう見ても中年の橋本じゅんさんが、高校生を演じていたりと、随所で笑わせてくれました。
倉科カナ…それでも、生きてゆく
洋貴の妹、亜季が中学校の友人の文哉によって殺されてしまいます。ずっと復讐と後悔に苛まれていた洋貴でしたが、ひょんなことで文哉の妹、双葉と出会ってしまいます。双葉のカミングアウトにより、文哉の妹であることが発覚しました。
洋貴は復讐心を抱きつつも、少しづつ双葉との共通性を感じはじめ、双葉に惹かれていきます。亜季の死に向き合うことを始めた洋貴に付き添うように接する双葉。検死調書を求め、東京の弁護士事務所を訪れた際、3人は出会いました。
倉科カナ扮する藤村五月は、洋貴扮する瑛太と同じく未成年者(少年法で裁かれる)によって親族を殺された犯罪被害者の家族として登場します。双葉を演ずる満島ひかりと洋貴の会話を聞き、亜季の検死調書等の取得に協力します。
調べているうちに双葉が加害者の妹と知ることになります。初めは同じ境遇の戦友のような関係から、少しずつ洋貴に惹かれていく様が描かれていきます。洋貴に対する恋心と双葉に対する複雑な心境と嫉妬が巧みです。
印象的なシーンは、3人が洋貴の経営する釣り宿でそうめんを食べている時、双葉と洋貴の関係を恋人と感じた五月が、2人は恋人同士かと質問したのに対して、洋貴と双葉が同時にのどを詰まらせるシーンです。
このドラマは、犯罪被害者の家族と加害者の家族の人間模様と恋愛という通常ではありえないと思われるような設定でありながら、五月の発した「加害者の人権なんておかしいですよ。」の言葉にもあるように、最近の少年法のあり方について、一石を投じる社会派のドラマともいえると思います。