私を離さないで 綾瀬はるか
綾瀬はるかさんが出ていた「私を離さないで」というドラマを観ました。臓器提供するために子供を育てている施設の話から始まるのですが、そこでは自分たちは特別な存在で天使なのだと教育されています。
施設を卒業して他の施設の人たちと共同生活をするようになって本当の自分の存在意味を知ることになります。逃げようとすることがバレれば「解体」されてしまう。けれどこのまま生きていても移植が待っているだけ。
観ていてとても重い気持ちになりましたが、もしかしたら本当にこんなことがあるのかもしれないという気持ちにさえなってしまいました。私たちにだって感情はある、友達が街頭で人々に訴えるシーンが心に残りました。
移植を待つ患者が多いということは医療に詳しくない人でも知っていることです。しかし自分が進んでドナーになれるかと言われるとそんなはずもなく。必要とされているんだけど必要とされていないという存在がドラマでは描かれています。
後半では友達たちが移植によって死んでいくのですが死にたくないと叫ぶ者もいれば早く楽になりたいという者もいて、最後の瞬間まで自由にはなれないのかと思っていましたが、主人公が薬を投与し安らかにしてあげるというのが少し救いになりました。
しかし最終回までに主人公には移植の順番は回ってこず自分だけは生きていかなくてはならないということも恐怖なのだなと分かりました。
ドラマでは綾瀬はるかさんの可愛らしさや天然キャラが垣間見れることはなく地味な役柄です。海外では映画にもなっているようですし原作も読んでみたいと思いました。
綾瀬はるか わたしを離さないで
綾瀬はるかさんというと、キレイで可愛くて可憐で凄く素敵な女優さんですが、その綾瀬はるかさんが、その容姿の武器を一切使わずに挑んだ難役がこの「わたしを離さないで」で演じた保科恭子役で、私はこのドラマで彼女の演技力に物凄く感動したのです。
原作は2017年にノーベル平和文学賞を受賞したカズオイシグロ氏で、臓器提出の為にクローン人間としてこの世に生まれた人間のお話です。その葛藤、苦しみ、やるせなさ、悲しさが切実に描かれていました。衝撃的な物語でした。
そのクローン人間を綾瀬はるかさんが演じられていて、両想いだった同じクローン人間の三浦春馬さんを、これまた同じく友達でクローン人間の水川あさみさんに奪われたり、綾瀬はるかさんがとにかく可哀想すぎるんです。
何が起こっても凄く冷静な演技で、人間だけど、でもクローンである事がそこから感じられたり、とにかく凄い演技でした。
このドラマは衝撃すぎて忘れられません。印象的だったシーンは、でも、シリアスなシーンではなく、綾瀬はるかさんがクローン人間のシェアードハウスであだ名を聞かれた時、「デカメロン伝説」と言った時です。しかも全くの無表情で。笑。あのシーンは感動の名シーンではないんですけど、記憶に鮮明に残っています。